Web制作をやるのに業務委託契約書を持っていない人、いませんか?
多分この記事をご覧の方の大半が、自分で業務委託契約書を持っていないかと思いますが、正直まずい状況だと思います。
なぜなら、最近はWeb制作発注詐欺が行っており、損害賠償を請求してくるからです。
契約書なしは論外:Web制作の発注詐欺に注意【不当に損害賠償を請求してくる】
https://shogo-log.com/web-fraud-attention/
そもそもですが、詐欺じゃなくても契約書を有耶無耶にしていると、場合によっては損害賠償が発生します。
そこで今回は「業務委託契約書とはそもそも何で、どう準備していけば良いのか」を解説します。
先にお話しておくと、私は「15年法務の仕事を行い、Web制作をされている方」が出されている、以下の雛形を購入して使っています。
【500部突破!】Web業務委託契約のひな形11点セット(制作、保守、SNS運用代行)
Webでは契約書について、ネットに色んな情報が転がっていて判断が難しく
結局自分の案件の場合は、どうすればいいんだ!!
となりますが、素直にプロに従うのが最もコスパが良いです。
私自身も長く業務委託契約書を使わず有耶無耶にしていましたが、結局この雛形を購入することで、自分から出す場合の業務委託契約書の問題は解决しました。
契約書中にコメントがあり、どこをどう自分用にカスタマイズすればいいのか、分かりやすいです。
とはいえ、これだけだとこの記事に存在意義が無くなるので、
相手から送られた業務委託契約書を見て、自分に不利な点、追加してほしい点があれば、声を上げられるレベル
これを目指していきます。
★契約書を作成する→紹介している雛形で作る
☆契約書を精査できるようにする→この記事の役割
ここで紹介している雛形だけでなく、相手から来た契約書の重要ポイントも自分で確認することができるようになりますよ!!
私は法律の専門家ではないので、実際に契約書を作成される際は、記事中で紹介しているWeb業務委託契約のひな形11点セットを雛形に作成してください。
この記事を書いたのは
しょーご(@samurabrass)
当ブログ「しょーごログ」の運営者。2018年からWeb制作・フロントエンドエンジニアとして主にWordPressでのサイト制作やシステム開発のフロントエンドを担当。同時にブログとYouTubeで情報発信を行っている。駆け出しエンジニアのコーディング課題添削も行い、スクール講師を4年以上している経験を活かした分かりやすい記事制作を心がけている。
- Web制作業務委託契約書
- Web制作保守業務委託契約書
- SNS運用業務委託契約書
- Web制作向けの内容なので書き換えが少なく済む
- お客様へのヒアリングシート(マインドマップ)が特典
\プロのチェック入り契約書で仕事を円滑に!!/
業務委託契約書のメリット
- 作業範囲の明確化
- 無限修正の回避
- 相手からの信頼感が増す
❶作業範囲の明確化
Web制作はデザイン・コーディング以外にもたくさんの工程があるのは、以前このブログでも紹介しています。
- ドメインの取得はどうするか
- サーバーの契約は誰がするのか
- セキュリティの対応も含めるのか
- ページはどこまで作るのか
- 機能(お問い合わせ、ブログ、予約機能、製品登録、お知らせ投稿、SNS連携など)
これらをきちっとしておく必要があるのです。
以下実話です。
あ、指示し忘れてましたが、ページトップに戻るボタンもつけといてください〜基本機能なので!!
(え!?そんなあって当然のように言われても、デザイン仕様になかったやん…)わ、分かりました…
コーディングしてサーバーアップロードしたら、Google Analyticsとサーチコンソールの設定・連携も対応してください。
あと、テキストと画像が一部変更になったので、あそこのセクションを変更お願いしますね。
それと、先方都合で納期は明日までのようなので、なるはやでお願いします。
(え、もうコーディング終わったと思ったのに、まだ変更点があるの!?)わ、分かりました〜(泣)
これ以外にも、
「自分が予想していた作業と相手が予想していた作業に乖離がある」から起こってしまうのであって、事前に「発注側確認後の”後追い修正”には追加工数分を請求します」と契約書で決めておくべきなのです。
契約書が無いので、無下に断れず受けてしまう
あなたもこうなっていませんか?
❷無限修正の回避
WebデザインやWeb制作では「修正」が発生します。
相手の満足のいくクオリティが出せなかったら修正が発生するのは当然ですが、
「納品して相手が検収して問題ないとなったのに、その後にやっぱりこうしてほしいと修正依頼を当然のように出してくる」クライアントの存在があります。
まあこれぐらいは対応してくれるでしょ
と悪気なくお願いされる方が大半ですが、「クライアントOK後の修正は原則追加料金を貰う」ことは契約書に入れ込むべきです。
じゃないと、無限修正地獄編がスタートしますし、ほとんどのWeb制作者が一度は通りかける道だと思うので、要注意です。
❸相手からの信頼感が増す
正直Web制作フリーランスと言われる人の大半は契約書を巻いていないと思います。
私も独立してしばらくは、相手が契約書を出さなければ、自分は決して出さないというスタンスでした。
しかし周りの大半のフリーランスもそんな感じなので、いざ契約書、請求書、領収書関連をきっちり出すだけで
しょーごさんはしっかりされてますね
と勝手に高評価を貰えたりしました笑
書類をきっちり管理できていないフリーランスだらけです。
Web制作契約書の重要確認ポイント
ここからは、Web制作に特化した契約書の確認事項を選出しました。
- 作業範囲と修正タイミングの明確化
- 再委託の可否
- 対応ブラウザとデバイス
- 納品後の修正制限と追加工数請求について
- 支払い時期と消費税
- 「クライアントの都合による解約」に関する条項
- 契約不適合責任の期間について
❶作業範囲と修正タイミングの明確化
作業範囲は先程述べた通り、「コーディングだけかと思ったら、ワイヤーフレームから作ることになった」的な無茶な要望が当然のように来たりするので、
追加請求と工数要求をできるように契約段階で明文化しておくといいです。
また、「納品後の修正は追加工数がかかる」「クライアントOKが一旦でた部分からのテキスト、画像などの追加修正は二回まで、大幅なデザイン変更は追加費用を貰う」なども明文化しておけるとグッドです。
❷再委託の可否
再委託を簡単に言うと「受注した案件を他の人にまた発注すること」を言います。
例えば「デザイン+コーディング」の案件を受注して、クライアントは一人で業務をこなしていると思いきや、受注した人はデザインだけ別の人に外注していたケースなどです。
デザインやコーディングを一部外注しようとする人は、再委託になりますから、クライアントに了承を得る必要があるのです。
第●条(再委託の制限)
乙は、本業務を第三者に再委託してはならない。ただし、乙が甲の書面による承諾を得たときは、この限りでない。
https://arte-kigyou.com/page-2896/page-2909
❸対応ブラウザについて
基本的に対応ブラウザ、デバイスは以下が鉄板です。
- Chrome
- Safari
- Firefox
- Microsoft Edge
- iPhone
- Android
この記事を読んでいる方でMacもWindowsも両方揃えている人は少ないかと思いますが、実案件では両方の環境で検証しますので、本来は揃えておきたいです。
- OSが異なると、フォントなども変わる
- MacOSじゃないとSafari検証が不可能
- WindowsOSじゃないと、Edge検証が不可能
現状、Macユーザーであれば、「ConoHa for Windows Server 」を利用すればWindows環境でEdge検証ができます。
逆にWindowsしかなくて、しかもSafariが検証できていない人も実は大量にいると思いますが、そういう人は以下の記事が役にたつかもです。
SafariってIE並みに崩れますからね、プロなら絶対検証してほしいので。
❹納品後の修正制限と追加工数請求について
納品後の修正対応は、基本的に追加請求の対象にしたほうがいいです。
検収が終わっているわけなので。
「検収」とは、発注した商品・サービスが取引相手から発注通りに納品されているのか、検査することを意味します
❺支払い時期と消費税
納品後の支払いが遅延するのはよく遭遇します。
なので、理想としては、制作着手前に「前金として半額」を貰えるのが理想ですが、ここは要相談ですね。
また、納品後の振込をいつまでに行うかをちゃんと明文化しておくのが大事です。
基本的に月末締め翌月、または翌々月に支払いが基本です。
7月中に納品したとしたら8月末、または9月末払いになるようにします。
❻「クライアントの都合による解約」に関する条項
これ、地味に怖いんですが、案件を進めていたのに、
やっぱり今回の制作はなしでお願いします。弊社の予算が厳しくて…
こんなことがまれに起こります。
そんな時に、作業途中までの費用を請求できるようにするのです。
第●条
甲がウェブサイト完成前に本契約を解約し、または甲の都合によりウェブサイトの制作を中断するときは、乙に対し、解約または中断の時点におけるウェブ制作の進捗に応じたウェブ制作代金を支払わなければならない。また、解約により乙に発生した損害を賠償しなければならない。
https://kigyobengo.com/media/useful/142.html
❼契約不適合責任の期間について
「契約不適合責任」は、納品後に不具合やバグが発見された場合、制作側で修正や弁償を行うことです。
大抵は弁償というより、無償で修正作業に当たることになります。
契約不適合責任は、民法上では1年以内とされていますが、契約によります。
自分で作成する場合は3ヶ月〜半年程度にしておけば良いと思います。
ここ注意が必要で、こっそりと口では言わないけど、契約書内では10年とか長期にしている会社もあります。
契約書の確認はクライアントと両者で行う
基本的に、契約書関連は不明点があれば相談したほうがいいですし、鉄板なのはMTGを入れることですね。
相手もなんとなく条項を入れているだけのことが多いので、交渉しやすいですよ。
契約書に不明な点、不利な点があれば、積極的に交渉していきましょう。
契約書以外の重要ポイントたち
契約書以外にも、自分を守る術はいくつかあります。
- 損害賠償対策
- 見積書、請求書、領収書を出せるようにする
❶そもそもの損害賠償への備えもしっかりしておく
契約書を巻いたとしても、納品物の欠陥のせいで損害賠償が発生する場合が0ではありません。
「フリーランスの請求書を即日払い【FREENANCE】」を使えば、最大5,000万円の補償を無料で受けることができます。
❷見積書と請求書と領収書もしっかり出すこと
契約書だけでなく、見積書、請求書、領収書周りの発行がスムーズに行えると、
お、このフリーナンスは手慣れてるな
といった安心感を相手に与えることができるので、是非「会計ソフトfreee」などお使いの会計ソフトで使えるようにしておきましょう。
Web制作の契約書は解説付き雛形で
今回の記事では「相手から送られた業務委託契約書を見て、自分に不利な点、追加してほしい点があれば、声を上げられるレベル」を目指して解説してきました。
- 作業範囲と修正タイミングの明確化
- 再委託の可否
- 対応ブラウザとデバイス
- 納品後の修正制限と追加工数請求について
- 支払い時期と消費税
- 「クライアントの都合による解約」に関する条項
- 契約不適合責任の期間について
Webには様々な契約書テンプレートや雛形が落ちていますが、ぶっちゃけ「Web業務委託契約のひな形11点セット」を使うのが一番確実なので、それを用いてもらえばよいかと思います。
相手から契約書が来たら、今回の記事で解説している要点を確認していき、不利にならない契約を締結していきましょう!!
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