Web制作/デザイン/コーディングに資格は必要ない!!意味ない!!
長年そう言われてきていて、私自身もWeb制作資格を取る時間があるなら、ポートフォリオを磨いたりコーディングスキルを上げるべきだと考えていて、さして興味も無かったのですが、
- 「フリーランス新法」の制定で2024年から少し風向きが変わりそう
- そもそもどんな資格があるのか知ってみてもいいかも
ということで、Web制作資格の中でも比較的活用できそうなものを紹介しつつ、2024年に始まる業界を変えうる資格「Webスキル実務検定」に関しても考察していこうと思います。
- コーディング実務検定
- Webデザイン実務検定
- 動画編集実務検定
これらのスキルが実務レベルか判断できる新しい資格で、実践形式。企業とマッチングする仕組みも整備。
この記事を書いたのは
しょーご(@samurabrass)
当ブログ「しょーごログ」の運営者。2018年からWeb制作・フロントエンドエンジニアとして主にWordPressでのサイト制作やシステム開発のフロントエンドを担当。同時にブログとYouTubeで情報発信を行っている。駆け出しエンジニアのコーディング課題添削も行い、スクール講師を4年以上している経験を活かした分かりやすい記事制作を心がけている。
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Web制作の資格はなぜ必要ない(意味ない)と言われるのか?
そもそもなぜWeb制作に資格は必要無い・意味ないと言われるのか。
クリエイター職はものづくりの人なので、知識の量よりも制作物として目に見えるものを最重視するのが主な理由です。
HTMLの歴史や規約などの細かい知識だけあって、コードがさしてかけない人なんて現場でいらないですからね(^_^;)
ただ、「すでにスキルがある人が、追加で資格を取る」場合に限り、少し意味があるかなと思っています。
例えばWebデザイナーとして就職する場合、以下のように機能します。
- お、この応募してきた人のポートフォリオ、いい感じだな
- デザインが好きで普段からよく研究しているのか、ふむふむ
- ウェブデザイン技能検定(国家資格)ってのを取得しているみたいだし、デザインが好きなのは本当っぽいな
自分がその分野に熱心であることの証明を補助する役割ですね。
この先色々な資格を紹介しき、中には魅力的な資格もあると思いますが、この前提を忘れずに見てもらうのが大事かと思います。
Web制作の資格の種類
Web制作関連の資格にはどういったものがあるのか、簡単に概要を説明していきます。
ITパスポート
ITパスポートは、IT社会で働くすべての社会人に必要とされる基礎的なIT知識を証明する国家資格です。
項目 | 内容 |
---|---|
資格名 | ITパスポート |
対象 | 社会人全般 |
レベル | 入門レベル |
目的 | ITリテラシー向上、基礎知識習得 |
受験方法 | 随時CBT方式 |
費用 | 受験料 7,500円 |
メリット | ・幅広いIT知識の習得 ・就職活動でのアピールポイント ・ITリテラシー向上 |
例えば以下のような問題が出題されます。
「次のうち、ネットワークのセキュリティを向上させる方法として、最も適切でないものはどれか。」
- ファイアウォールの設置
- 暗号化通信の利用
- 定期的なパスワード変更
- すべてのポートを開放する
「プロジェクトの進捗管理において、予定よりも遅れが生じている場合の対策として、最も適切なものはどれか。」
- プロジェクトの中止
- スケジュールの見直しと調整
- 予算の増額
- 責任者の交代
Web業界への就職転職で活かすレベルの資格ではない印象なので、教養を身につけるという意味では楽しそうでいいかなと思います。
基本情報技術者試験
基本情報技術者は、ITエンジニアとしての基本的な知識と技能を証明する国家資格で、ITパスポートの上位資格になります。
項目 | 内容 |
---|---|
資格名 | 基本情報技術者 |
対象 | ITエンジニア |
レベル | 専門レベル (ITパスポートより高度) |
目的 | システム設計、開発、運用に関する知識習得 |
内容 | ITエンジニアとしての基本的な知識と技能を証明 |
受験方法 | 試験センターでの筆記試験 |
費用 | 受験料 7,500円 |
メリット | ・より専門的なIT知識の習得 ・エンジニアとしてのキャリアアップに有利 ・ITパスポートよりも高度な資格として評価 |
大学の情報理工学専攻の人や、バックエンドエンジニアを目指している人はよく取得をしている印象で、Web制作畑の人には正直無用な資格だと思います。
ただ、私も2022年に取得しましたが、アルゴリズムの分野だけは結構有用で、自分でJavaScriptやPHPの処理をだいぶ追えるようになったので、教養として勉強してみてもいいのかなとは思います。
以下の本はアルゴリズム対策で結構わかりやすかったのでおすすめです。
ただ、もしあなたがRailsエンジニアやJavaエンジニアになりたくて、資格を差別化の武器にしたい場合は、基本情報を持っているだけだと弱い印象なので、
応用情報まで取っておくといいかと思います。ただゲキムズなので、基本はポートフォリオ磨きを頑張ったほうがいいですね。
むしろ資格を取るより「RUNTEQ」のような優良スクールに入ったほうが就職は固いと思います。
HTML5プロフェッショナル認定資格
HTML5プロフェッショナル認定資格は、HTML5やCSS3、JavaScriptなどのWeb技術に関する知識と技能を証明する資格です。
項目 | 内容 |
---|---|
資格名 | HTML5プロフェッショナル認定資格 |
対象 | Webフロントエンド開発者 |
レベル | レベル1(初級), レベル2(上級) |
目的 | HTML5、CSS3、JavaScriptなどのWeb技術に関する知識と技能習得、スキルアピール |
内容 | Webフロントエンド開発に関する知識と技能を証明 |
費用 | ¥16,500(税込) |
メリット | ・最新のWeb技術に関する知識の証明 ・フロントエンド開発者としてのスキルアピールに有効 |
レベル1とレベル2だと、レベル2の方が上級になっています。
HTML5プロフェッショナル認定資格も、あるからといって就職転職や案件獲得に有利になることはないのですが、調べてみると結構問題例が実践的で面白いので、いくつか見てみましょう。
HTMLのdl要素に関する説明として正しいものをすべて選びなさい。
- 内容は空でもよい
- 子要素としてdiv要素を配置できる
- 内部に配置するdt要素は連続して複数配置できるが、dd要素は複数配置できない
- 内部に配置するdt要素とdd要素のペアは、その一方がなくてもよい
- 内部に配置するdt要素とdd要素のペアのうち、一部のペアだけをdiv要素でグループ化できる
答え:❶、❷
ローカル資源にアクセスするAPIとユーザの許可について正しい記述を全て選択しなさい。
- WebStorage APIでローカルに保存しているLocalStorageにアクセスするには、ユーザの許可が必要である。
- File APIでローカルにあるファイルパスを指定して開く時は、ユーザの許可が必要である。
- History APIでブラウザの閲覧履歴を見る場合には、ユーザの許可が必要である。
- Geolocation APIでデバイスの位置情報を取得しようとするときには、ユーザの許可が必要である。
答え:❹
var element = document.getElementById('myElement');
element.addEventListener('click', function(event) {
event.preventDefault();
console.log('Clicked!');
}, false);
上記のコードの機能として正しいものは?
- 要素のデフォルトのクリック動作を防ぎ、コンソールに’Clicked!’と出力する
- 要素がクリックされるたびに新しいイベントリスナーを追加する
- 要素のクリックイベントを完全に無効化する
- 要素がクリックされたときにページをリロードする
答え:❶
あれ!なんか意外にコーディングに役立ちそうかも?
というかたは、是非公式サイトで例題を見てみるといいかなと。
https://html5exam.jp/measures/sample.html
ウェブデザイン技能検定(国家資格)
ウェブデザイン技能検定は、Webデザインに関する知識と技能を評価する、Webデザインでの唯一の国家資格で、実は20年以上の歴史があります。
項目 | 内容 |
---|---|
資格名 | ウェブデザイン技能検定 |
対象 | Webデザイナー、Webデザインに関わる職業従事者 |
レベル | 1級、2級、3級 |
目的 | Webデザインに関する知識と技能習得、スキルアピール |
内容 | Webデザインに関する知識と技能を評価する国家資格 |
試験方法 | 実技試験と学科試験 |
費用 | 2級の場合:学科: 7,000円 / 実技: 16,000円 |
メリット | ・Webデザインスキルの公的な証明 ・就職や転職時のアピールポイントになる |
試しに3級の問題を見てみると以下の感じ。
またこちらは二級の問題です。
う〜ん、デザインというより、コーディングがメインなのかな?
少し独学してる人ならすぐ取れそう・・・
と思われた方が多いと思います。私もちょっとこの資格はやらないかなというのが、率直な感想です(^_^;)
実際に内容だけ見たらHTML5プロフェッショナル認定資格の方が実用的だし、難易度的に学びが多いのかなという印象です。
ウェブ解析士
ウェブ解析士は、Webサイトのアクセス解析とその活用に関する知識と技能を証明する資格です。
項目 | 内容 |
---|---|
資格名 | ウェブ解析士 |
対象 | Webマーケター、Webサイト運営者、データ分析に関わる職業従事者 |
レベル | 初級、上級 |
目的 | Webサイトのアクセス解析とその活用に関する知識と技能習得、スキルアピール |
内容 | Webサイトのアクセス解析、データ分析に基づくWebサイト改善スキルを評価 |
費用 | 最低22,000円~(⇒問題集購入や講座受講有無などで異なる) 資格の維持には年額6,600円(税込)が必要 |
メリット | ・データ分析に基づくWebサイト改善スキルの証明 ・マーケティング部門やコンサルティング業務でのキャリアアップに有効 |
就職に役立つかは謎ですが、企業のWeb担当者やサイトの保守運用を行う人が取得すると、結構実務でも役立つ資格なのかなと思います。
私も取得を検討したことがあります(実務が一番成長できる&費用が高いと判断し辞めましたが笑)
以下に問題の例を載せておきます。
あなたは自社のEコマースサイトのコンバージョン率を上げるための施策を検討しています。一つの課題として、フォームページにおける離脱が多いのではないかと考え、現状のフォームにどのような課題があるのか解析することにしました。
取るべき手段として最も適切なものを選びなさい。
- Google Analytics4を利用して、どのチャネルからユーザーを獲得できているかを確認する
- GoogleオプティマイズのA/Bテストを実施する
- EFOツールを利用して、どの項目で離脱しやすいのか、また、入力にかかった時間・エラーの発生率を解析する
- Google Search Consoleを利用して、自社サイトの検索キーワードや順位を確認する
引用:https://web-analytics.eitapapa-fire.com/practice-exam-web-analytics-consultant/
答え:❸
あなたは新規事業開発のメンバーとして、法規制や景気、人口動態といった外部環境分析を行おうとしています。あなたが行う分析として、最も適切なフレームワークを選んでください。
- SWOT分析
- クロスSWOT分析
- STP分析
- PEST分析
引用:https://web-analytics.eitapapa-fire.com/practice-exam-web-analytics-consultant/
答え:❹
個人的には今回紹介した資格の中では、内容的には一番興味がある資格ですね。
Web制作を受託する人の中には「保守運用の運用に自信が無い」という人も多いと思いますが、そんな人には有用なのかなと思いつつ、
ただせっかくお金出してWebマーケティングを学ぶなら、「デイトラWebマーケティングコース」でしっかり実務レベルまで学んだ方がいいのかなという感じはします。
Web制作の役立つ資格が始まりそう?
さて、ここからが今日の本題です。
Web制作に総じて資格は微妙だと思ってきた私ですが、2024年9月から始まる「Webスキル実務検定」がなかなか凄そうなので、これの解説をしていこうと思います。
Webスキル実務検定とは?
Webスキル実務検定は、複業したい人と企業や自治体をマッチングするプラットフォーム「複業クラウド」を運営しているAnother works社と、
オンラインスクール「デイトラ」が協同で立ち上げた、業界初の実務直結型スキル評価システムです。
2024年11月からのフリーランス新法(正確にはフリーランス・事業者間取引適正化等法)という法律で、フリーランスとの契約締結前に、業務内容や報酬、納期などを明確に定めた書面の交付が義務付けられます。
これによって、発注側は今以上に、正確にフリーランスを選定する必要が出てきました。
それなのに、自分の実力を証明するものがポートフォリオしか無いので、だったら「「基礎知識 × クライアントワーク力 × 制作力」」を総合的に正しく測れる、意味ある資格を作ろう!ということで立ち上がったようです。
参考:11月施行の「フリーランス新法」に向けて、デイトラがクリエイター実践スキル認定サービス「コーディング実務検定」をリリース
Webスキル実務検定の特徴
❶コーディング・デザインなど多様なスキルを測れる
Webスキル実務検定にはコーディング、デザイン、動画編集などの検定試験が用意予定です。
❷二段階評価方式
学科試験(オンラインマークシート)
実技審査(実制作物評価)
これだけだと他の資格にもありそうですが、Webスキル実務検定の場合は、実技審査で作る制作物のレベルがかなり高いことが見込まれるので、
発注者目線でも評価される可能性が高いかなと思います。
❸複業クラウドとの連携で案件に繋がる
Webスキル実務検定の合格者は、複業クラウド上でスキルバッジとして表示されると発表されています。
これによって、知識・マナー・実務力を兼ね備えた人材であることを企業側にアピールすることができますし、他のサービスでも優遇されるよう、今後も提携先(プラットフォーム)を増やしていく予定のようです。
こうしたマッチングプラットフォームは私も活用していて、いくつか常駐での準委任案件を獲得してきていて、おすすめの場所になっています(もちろんフルリモートもあります)
以下の記事でプラットフォームを複数紹介していますし、今後提携先が増えていく可能性が高いので、いまのうちに登録して案件を眺めておくといいかと思います。
Webスキル実務検定の実施時期
第一回のWebスキル実務検定は、2024年9月に実施予定のようです(年4回開催)。
更に今後はコーディング以外にも分野を広げていくようなので、要注目ですね!
Web制作で資格を取るなら意味のあるものを!
今回はWeb制作の主な資格について解説してきました。復習すると以下です。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- HTML5プロフェッショナル認定資格
- ウェブデザイン技能検定(国家資格)
- ウェブ解析士
- Webスキル実務検定
これから始まる「Webスキル実務検定」ですが、仕事に繋がる資格にするために高難易度であることが予想されます。
実際に「デイトラ」が過去に主催していたコーディング実案件チャレンジでは、以下のデザインを4日以内かつ、見た目にズレや崩れがない状態で提出する必要がありました。
結構縦長だし、ぶっちゃけ、かなりギリギリじゃないですか?
仮にデイトラ「Web制作コース」を受講中の方の場合は、中級最終課題の「尾道」をクリアしているのは最低条件になるかと思います。
デイトラWeb制作コースの内容・カリキュラムに関しては、以下の記事にまとめていますので、求められるレベルの参考にしてください。
また、私の出しているコーディング練習課題では、少なくとも中級、できれば中級Exはクリアしておくといいかと思います。
コーディング練習課題の詳細は以下の記事で解説していますし、
YouTubeでも解説しているので、是非準備をしてWebスキル実務検定に望んでもらえればと思います。
HTML初心者からWordPress実案件レベルまでのコーディング演習課題を「専用ページ」にて公開しています。
- Figma,Photoshopデザインからのコーディング
- サーバーアップロードでサイト公開
- プロによる最大3回の表示確認特典
- レビュー返しは爆速
- 2024年にデザイン刷新!被らないポートフォリオ
「初級編」は初めてデザインからコーディングする方向け
「中級編」はJavaScriptやjQueryの練習
「上級編」はWordPressの実案件を模擬体験できるレベル感にしています。
中級者の方には高難易度課題を詰め合わせた「即戦力セット」も出しています。
全課題で「実務レベルの、プロの厳しいレビュー」を受けられるようにしています。
また、2024年には随時デザインの刷新をしており、完全リニューアル!!
他者と差をつけられるポートフォリオが準備できます!
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コーディングは書籍だけではなかなか実力がつかないので、実務レベルのレビューを受けて自身をつけたい人は是非挑戦してみてください!
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